「古典技法に触れるーテンペラ画ワークショップ」を開催しました。2月23日

たまごの黄身を取り出す実演中にハプニングもありましたが🤣3時間の長丁場ワークショップが無事に終了しました!

下描きたまごの黄身で展色材づくりたまご&防腐剤と顔料、精製水を混ぜ合わせて色づくり彩色。 手間ひまと、昨今のたまご事情を考えましても、大変貴重な絵画制作の機会を共有することができました!ご参加下さいました皆さまに感謝です。

また、温かなお声かけをありがとうございます🥰今回の経験を生かしてギャラリー展示と連動した新たなワークショップを企画させて頂きます!

ギャラリーアトリエアルテでは2月末まで冬季平常展「古典技法への誘いー東へ西ヘ」

を開催中です。

お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。





 テンペラとは何か! 油彩画もアクリル画も無かった 約500年前の人々が考えだした画法。それがテンペラ画です。簡単にいえば、(顔料)と(卵黄)を混ぜて、水(精製水)で溶いて描く方法。 テンペラはラテン語のtemperae「混ぜる」に由来する言葉で、西洋中世期には広く顔料と※展色剤を混ぜることをテンペラといい、文字通りに解すると今日のテンペラとは意味が異なる。しかし、今日テンペラといえば、主に卵黄を使った卵黄テンペラ(エッグテンペラ)を意味することが多い。

『 特 徴 』 

①乾きがはやい。 ②耐久性に富む絵具層をつくる。 ③ 乾くと色調が数段明るくなる。

さらに、色彩の発色の良さ、描線の美しさにあります。 

<制作上の制約もあり、技法上の制約を受ける>

ぼかしは、ハッチング(線を重ねて明暗、色味段階を作る。白色で行いその上に色を薄く塗る)で行う。また、乾くと彩度が多少高くなる。(鮮やかさが増す)

 ※ 展色剤(顔料を固着させ、塗膜を形成するもの)例えば油彩画の亜麻仁油など。


 告知〜<古典技法に触れる 〜 テンペラ画ワークショップの開催>

催日:2023年 2月23日(木)祝日天皇誕生日 

(午前)9:00〜12:00(4名まで空きあり)

(午後)13:00〜16:00  (定員に達しましたので募集を締め切り隣ます

           なお、キャンセルが出た場合には空席分の募集をいたします。

募集人数(4名)

参加費1人(4.000円)

募集締め切りは、2023年2月12日(日)まで。

※手ぶらで参加可能(ただし、汚れても良い格好又は、エプロン、飲み物持参)

 

会 場: 国東市 美術教室アトリエアルテ

    (国東町、ホテルヴィラ国東)213号線をはさんで向かいです。

     (HPのアクセスで地図がご覧いただけます)敷地内駐車場あり。

 

開催日時:2023年 2月23日(木)午前の部は9時から、午後のぶは1時からです。

     どちらも3時間。

               開始約10分程度(施設利用案内及び本テーマの簡単な解説

     時間内で作品鑑賞もいたします。終了後、お時間に余裕のある方は、質問等の時間をお

     取りしています。

募集人数:午前の部(4名)・午後の部(4名)

 

 連絡方法下記の美術教室アトリエアルテ 教室用携帯またはメールまで。

 携帯(090−1191−8445)

 メール(arteps.3832@gmail.com)

  参 加 費:1人4.000円(受講料及び材料他)

  

<規定材>

・パネル、サムホールサイズ15.0×18.0/下地塗り作業(和紙、アブソルバン使用)あらかじめこちら

 で地塗り作業を済ませたパネルを使います。

 

 <参加時に必要な準備物>

筆、筆洗い等(準備あり)・・水彩画などで普段から使い慣れた筆をお持ちの方はお持ちいただいてもかまいません。また服装は汚れても良い服装、エプロン等、飲み物。

※完成した作品はお持ち帰りいただきます。

※キャンセルについては、不参加が分かり次第連絡を(教室専用携帯目まで)お願いいたします。

 番号はHPトップにて掲載しています。


テンペラ画のすすめ!               教室staff ayumiさん作(猫)

自他を施したパネル、サムホール(SM)サイズに下図を転写(猫を描く)
自他を施したパネル、サムホール(SM)サイズに下図を転写(猫を描く)
黄土の濃淡で大まかに明暗表現する。
黄土の濃淡で大まかに明暗表現する。
この後、緑顔料テールベルトを刷毛で全体に薄く塗ります。
この後、緑顔料テールベルトを刷毛で全体に薄く塗ります。


体の明暗をつけてから毛並みを描いてゆく。(背景の下塗りを済ませている。その時のマスキングテープはそのままにしておく)
体の明暗をつけてから毛並みを描いてゆく。(背景の下塗りを済ませている。その時のマスキングテープはそのままにしておく)
大まかに毛並みを描いたところ
大まかに毛並みを描いたところ

上記の体に使用した色は、ウルトラマリン、カドミウムレッド、ピーチブラック、チタニウムホワイト。

※ウルトラマリン(紺色)のような科学顔料は、粒の粒子が小さく水の界面聴力②弾かれて、水の表面を浮遊するだけで混ざって行かないのです。そこで消毒用のアルコール界面活性剤としてを1滴入れます。そうすることで水の界面張力は下がり色の粒子が水に溶け込むことができます。


薄い緑の(インプリマトゥラー)地色塗りの上に茶色と紫を中心に茶系の下地を施す。
薄い緑の(インプリマトゥラー)地色塗りの上に茶色と紫を中心に茶系の下地を施す。
濃淡、筆後を大胆に残して背景を塗る。
濃淡、筆後を大胆に残して背景を塗る。
下地が乾燥後さらに緑(ヴィリジャン)と白、黄土少々を混色して塗る。
下地が乾燥後さらに緑(ヴィリジャン)と白、黄土少々を混色して塗る。


表記のヴィリジャンが乾いたら同じ色に白を多めに加えた色を塗る。
表記のヴィリジャンが乾いたら同じ色に白を多めに加えた色を塗る。
これで背景は終わりとする。色を薄く塗るか、厚く塗るかは、その時々で違う。
これで背景は終わりとする。色を薄く塗るか、厚く塗るかは、その時々で違う。

テンペラ画のワークショップでは、表記のこの工程より多少省略してできるように題材や手法を工夫しています。

完成 今回は、背景を削ったりせずに、下の色と上層の緑の響き合いを意識して、単調にならないよう、背景に変化を求めた。
完成 今回は、背景を削ったりせずに、下の色と上層の緑の響き合いを意識して、単調にならないよう、背景に変化を求めた。

支持体(基底材)を作る。〜ワークショップでは行いません。完成品を使用します。

今回は、パネルを使用。正式な手法を簡素化して扱いやすい方法を紹介します

サムホールパネルと和紙(薄美濃紙使用)
サムホールパネルと和紙(薄美濃紙使用)
通常は、膠を使うが、今回はアクリルグロスポリマーメディウムを使用。
通常は、膠を使うが、今回はアクリルグロスポリマーメディウムを使用。
和紙に切り吹きして空気が入りにくくすることと定着をよくするため。この作業は省いても大丈夫
和紙に切り吹きして空気が入りにくくすることと定着をよくするため。この作業は省いても大丈夫


叩き筆で空気を追い出すようにパネルに貼り付けてゆく。叩かずに通常の刷毛で丁寧に張るだけでもOK。
叩き筆で空気を追い出すようにパネルに貼り付けてゆく。叩かずに通常の刷毛で丁寧に張るだけでもOK。
本格的には、白亜地、石膏地にするのですが、今回は、それに近い給水生のある下地材アブソルバン(ホルベイン社)を使用します。
本格的には、白亜地、石膏地にするのですが、今回は、それに近い給水生のある下地材アブソルバン(ホルベイン社)を使用します。
完成後乾燥。今回は6〜7層塗り重ねた。
完成後乾燥。今回は6〜7層塗り重ねた。

一層ごとに自然乾燥を待つ。ドライヤー禁止!1時間もあれば乾燥するかな?乾燥すれば、2層目は最初と違う方向で塗る。つまり、縦に塗った後は横塗り。これを交互に繰り返して、最後にやすりがけ。目の細かい物を使用。仕上げは、湿らせた綿の布で表面を軽くふく。

※テンペラは水彩用などの紙に描いても良い。


生徒さん作品、テンペラ画体験作品制作工程〜画用紙使用

 古典画(テンペラ)に興味はあるけど、個人で試すにも揃える材料費が高額になる事や、体験の機会も少ないなど、これまで見逃してきた方、経験のある方も、楽しく体験しませんんか!お待ちしています。(写真は以前のテンペラ画体験での生徒さんの作品制作過程の一部です。)

画紙に下絵、テンペラ黄土色で大まかに調子を出す名案は水の濃淡で調整。
画紙に下絵、テンペラ黄土色で大まかに調子を出す名案は水の濃淡で調整。
全体に薄く黄土をはけで塗ってから、チタン白で明部の浮き出し。
全体に薄く黄土をはけで塗ってから、チタン白で明部の浮き出し。
ウルトラマリンで全体をラズール(塗装)する
ウルトラマリンで全体をラズール(塗装)する
さらに白色又は明るいトーンで明部の浮き出し。
さらに白色又は明るいトーンで明部の浮き出し。

細部を描きこんで行く。
細部を描きこんで行く。
完成、背景にヤスリをかけて変化と質感、ストライプも手前と奥の色彩変化で奥行きを出す。
完成、背景にヤスリをかけて変化と質感、ストライプも手前と奥の色彩変化で奥行きを出す。